老害という言葉をここ数年で聞くようになった。あまりいい言葉では無いので使いたくないが、この言葉がぴったりと当てはまってしまう場面を目にすることが多い。
辞書的な意味では、企業や政治の指導者層の円滑な世代の交代が行われず、組織の若返りが阻まれる状態を指す。日常的には、他人の意見を聞かず時代遅れの価値観を押し付ける傲慢な高齢者に対する言葉として使われる。
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老害とは、「老齢による弊害」のこと。歳をとることで周りが見えなくなり、迷惑をかけてしまう年配者のこと。
よくコンビニのレジなどで見かける。何か知らないが大きな声で怒鳴っている。男性が多い。何を怒鳴っているのかと耳を傾けてみると、どうでもいいことが多いのだ。レジ袋が必要かどうか既に聞かれていたらしい。しかし、レジの人がもう一度聞いてしまったようだった。
たったそれだけのことで怒鳴る必要があるのだろうか?もう一度「はい」と言えば良いだけの話ではないだろうか。何がそこまで彼を怒らせたのだろうか…とにかく飲食店も含め、店員さんという「ハム買ってこない」いや、「歯向かってこない」とわかっている相手に怒るご老人が多い。
人間は40代辺りから脳の老化で前頭葉の働きが衰え始め、脳のブレーキ(≒自制心)が効きにくくなることで性格が先鋭化し、怒りが収まらなかったり柔軟性がなくなったりし始めるのは事実である(年を取ると涙もろくなるのもこのため)。
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なるほど、そういうわけか。実は今日も入管でその光景を見かけた。今日だけではない。見たくないが見ることが多い。今日は、いつも見かける年配の大人しそうな先生が残念ながら声を荒げていた。
隣の窓口だったので、おーやってるな、と思って耳をダンボにしてみた。何と言うことはない。入管の職員さんがものを言い間違えただけの話だった。彼が「Aが10、Bが9」というようなことを言った。確認のために職員さんが「Aが9、Bが10」と言い間違ってしまったことに急に怒りをあらわにし、怒鳴りちらした。
「草野球のキャッチャーだな」と思った。つまり、ミットも無い。みっともない…経験も豊富で立派な先生に違いない。しかし、その1アクションで全て台無しに見えてしまう…仮に彼の息子さんや娘さんが接客業をしていたとして、同じことをされたら彼はどう思うのだろうか。
この方を諭しても何にもならないだろう。改善するとは思えない。そう、自分がそうならなければいい話なのだ。これから10年、20年経った時に、ああはなりたくない。
ただただそう思った夏の日。